院長コラム

前回、いい習慣の身に着け方について触れましたので、今回はどういう習慣を身に着ければいいかのお話です。

一度で、健康・美容・知能の三方向に効果的な習慣が望ましいと思っています。

それにはいくつかあります。

①きびきび歩き、ウオーキング

イギリスの大規模研究によると、速く歩く人は心血管病や死亡のリスクが有意に減少するという報告があります。

肥満の人やせている人、握力（筋力）ある人ない人、速く歩く人ゆっくり歩く人、などを約50万人、長年かけて調査したところ、肥満度がどうであれ「速く歩く人」の群がもっとも寿命が長かったという報告になっています。もっとも寿命が短かったのは、やせていてゆっくり歩く人たちでした。

歩く速度は寿命に影響するというエビデンスになります。

ウオーキングは、インシュリン感受性がよくなって糖尿病予防効果にもなります。

おしりや足の筋力が強化されて、サルコペニア（加齢による筋力低下・足腰が立たなくなる）防止にもなります。

健康や老化防止にいいことは何となく理解できますね。

また、ウオーキングなどの有酸素運動は、体の隅々まで血流が増加するため酸素や栄養分が肌の細胞まで到達しやすくなり、美肌効果が期待できます。

速く歩く習慣は、正しいフォームで続ければ体幹が鍛えられて姿勢がよくなるため、単に脂肪燃焼効果だけでなく姿勢も含めた見た目の美化につながります。

ニュージーランドで900人を生まれた時から45年追っかけた大規模研究では、遅く歩く人は見た目の老化も早く、IQも低下していた、との報告があります。

アメリカの研究では、有酸素運動を週に数回行うことで海馬（記憶中枢）の容積が増加したとの報告があります。

前頭前野での血流増加・神経活動の活性化により、集中力や実行力、判断力などがよくなる、という報告もあります。

そもそも運動習慣がある人は、新しいことを学ぶ能力（記憶力・学習能力）が高いとする報告もあります。

アップル社のスティーブ・ジョブズなんかは、座って会議をすることを嫌って、廊下など歩きながらミーティングをしていたとも言われます。その方が判断力や創作能力も増すと知っていたのでしょうか？

ともかく、ウオーキングは簡単かつ最強の習慣といえます。ただし、普段の歩行もきびきび速く歩く必要があります。都会の人たちは自宅から駅へ、駅から職場へ、をきびきび歩いているでしょうが、自動車に頼っている私たちは常日ごろから意識して歩く必要がありますね。

②十分な睡眠

ご存じかもしれませんが、7-8時間の十分な睡眠は、健康・美容・知能の三方向にいいことです。

免疫力の維持、ホルモンバランスの正常化をもたらすため、健康にいいです。

入眠後1-3時間で訪れるnon-REM睡眠時、つまり深い睡眠時には、成長ホルモンの分泌が活発になって、肌の修復再生・コラーゲン合成の促進・皮膚保湿の維持・ニキビやくすみなどの老廃物除去につながります。

想像できるでしょうが、寝不足の人は実年齢より老けて見える、そういう論文もあります。

十分な睡眠は、記憶の定着や脳の老廃物除去にも役立ち、質のいい睡眠は記憶力や集中力を高めることになります。

③マインドフルネス瞑想・深呼吸

マインドフルネス瞑想とは、雑念を消してじっと座ったり寝転がったりすることです。宗教的な座禅ではありません。何も考えないことが理想です。しいていえば呼吸に注意するくらいで、吸っていること吐いていることにだけ注意をむけます。「○○の呼吸！」と勝手に名付けてやってください。１分でも３分でも実行できればOKです。

このマインドフルネス瞑想、もしくは深呼吸といった習慣は、ストレスホルモン（コルチゾール）の低下、血圧安定に役立ちます。

肌に関しては、ストレス性の肌荒れ防止につながります。

集中力アップ、記憶力アップ、感情コントロールなどにも役立ちます。

一日10分のマインドフルネス瞑想を８週間実行した被験者の記憶中枢（海馬）の容積が増加したとの報告があります。

④食事（地中海食）

和食はヘルシーで、世界に誇れるものだと思っています。

ただ、塩分が多いために脳卒中になりやすいという指摘があります。

地中海食というのは、野菜、魚、豆、オリーブオイル、ナッツ、などを中心に摂取して、肉や乳製品を減らすイメージです。ピザやパスタをバンバン食べるのはダメでしょうが。米飯もパンも同じです。炭水化物はほどほどに。

和食と似ていますが、野菜、魚、豆中心でかつ、オリーブオイルやナッツなどもある地中海食は、糖尿病や心臓病のリスクを低下させます。

地中海食の抗酸化作用は、老化や肌トラブルの防止に役立ちます。

認知症、うつ病のリスクも下げると言われています。

ラテン系の人たちは陽気ですもんねぇ・・・

どれもこれも無理だというものではないと思います。

ぜひ習慣に取り入れてみてください。

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おかげ様で開院３か月が経過しました。

ありがたいことに、患者さんの数は毎月増加傾向です。

当クリニックに来院されるかたがたが、「来てよかった」と思っていただけるように、これからも診療オペレーションに工夫を重ねていきます。よろしくお願いします。