雑学

<37>幸運になる確率を上げるには

運とは

運がいい、運が悪い。

隣の芝生が青く見えることもあれば、今の状態を幸せだと感じることもあります。

ストレスなく仕事ができて他人から認められる。

家族、友人、もしくは交際相手の異性ともうまく付き合い、充実した日々を過ごす。

経済的にも余裕ができて趣味も満足。

こういうふうに運を良くするにはどうしたらいいのでしょう?

私が思うに、「運」には2種類のものがあると思っています。

先天的な運と後天的な運です。これは分けて考えるべきです。

生まれながらの幸運・不運

先天的な運とは、生まれながら与えられている条件で左右されるものです。

生まれ育った環境の違い、いわゆる「親ガチャ」で差があります。

親の収入や人格は、子供の人生に少なからず影響します。

高収入の家庭に生まれた子は、大人になってから高収入になる確率が高いのです。

そこには、ふんだんにお金を使っていろんな体験や学習をさせた効果もあるのでしょう。

その親御さん特有の教育やしつけもあるのでしょう。

個人の容姿によっても幸運・不運はあります。

容姿が整っている方が、男女問わず生涯収入が上であるというデータがあります。

生まれた家庭、容姿、身長、遺伝的な要素などは、その人に選ぶことはできません。

それは先天的な運に相当するものです。

以前のブログ(<35>数学を学ぶこと)でも述べましたが、数学でいうところの「定数」になります。

運は「施行数」に依存

後天的な運は「変数」です。これから変えることができるものです。

では、どうすれば運量が増えるのでしょう?

イタリアの研究者によるシミュレーション Talent vs Luck(2018)では、才能のある人よりも多くの機会に出会った人の方が成功を収めやすいと示されました。

IQが高ければ収入がいい、というわけではありません。

いろいろな環境で体験することの方が成功しやすいようです。

イギリスの心理学者リチャード・ワイズマンが10年かけて調べた「幸運な人」の共通点も、「いろんなことに挑戦し、人との出会いを楽しむ人」でした。

原則、数多く挑戦する、が運を上げるコツのようです。

1回しか挑戦しない人と、100回挑戦する人では、どちらに幸運の女神が微笑みやすいか?

そりゃ、多く挑戦する人です。

Nature Neuroscience に発表された研究(2020)では、日常で新しい・多様な体験をする人ほど幸福度が高いことが脳活動と共に確認されています。

「やってみる」こと自体が幸運を感じやすくする要素になります。

ただ数をこなせばいいわけでもない

幸運になるにはいろんなアクションを起こすこと。数多く挑戦すること。

しかし、失敗に対して何も振り返りもせず何度も挑戦をするのは非効率的です。

失敗に対してその都度分析と学習をするべきです。

やりすぎると気持ちが燃え尽きることだってあります。

時間・体力・お金といった資源が燃え尽きることだってあります。

そこはバランスが大事です。

施行数と学習に関してわかりやすい例を言います。

Aさんは、Bさんに彼女がいるのをうらやましく思っています。

Aさんだって彼女がほしいのですが、なかなか機会に恵まれません。

Bさんは運がいい。Bさんみたいな男を好きになる女性が現れて。

しかし、Bさんはただ待っていただけでなく、何十人もの女性にアプローチしていたのです。

失敗を繰り返して最初は傷つきましたが、それでも「振られて当然」と割り切って、色んな女性に何度も声をかけました。

ある時、「ん?今回もダメだったけど、今までより長く話に付き合ってくれたよな?なんで?」

と振り返り、分析するのです。

「そういえば、服装が似合っていて自分好みだと言ったら態度が少し変わったな・・・」

何度も失敗しているうちに「自分のことをガンガンしゃべらず、相手を持ちあげる感じにする方がいいのか?」「これくらいソフトに言う方がいいのか?」「女性と会話するのに緊張しなくなったわ」

経験値が上がってきます。学習効果も出てきます。

そういう「努力」の甲斐あって、Bさんは最終的に彼女をゲットすることになりました。

Aさんには「幸運」に見えます。Bさんも「幸運」と思っているかもしれません。

ただ幸運を待っているだけのAさんよりも、Bさんの方が職場でも、人との交流において優位な立場になっているでしょう。

幸運をつかみとる方法は、挑戦回数を増やすこと。

いろいろな経験をすること、です。

成功者の経歴などみると、いろんな業界でチャレンジして失敗して失敗して・・・最終的に今のところで花を開いたっていうのを見ます。

これは、いろんな分野でのチャレンジが、幸運の花を咲かせる種だったと思われます。

失敗の繰り返し(体験)が大きな糧になり、その過程で自分が得意な分野を見つけ、そこでも挑戦を続けていって咲かせたということになります。

以前のブログ(<30>すぐに行動)にも、同様のことを述べました。

数にも例外あり

宝くじや競馬競輪も、数をこなせば大当たりになる確率は上がります。ごくわずかですが。

数うちゃ当たる、です。

ただし、宝くじは最たるものですが、競馬競輪ボートパチンコなどのギャンブルも、原則マイナスサムゲームです。

つまり、お客さんがお金を出し合うのですが、主催者が多くを抜いたあとの残りで分配するシステムであり、その期待値は損をしやすい数値になります。

そのようなリスクを取るのでしたら、投入した資源の全体がいずれ増えるプラスサムゲームの方が合理的です。

つまり株や投資の方がお金が増えるでしょう。知っている人は知っています。

失敗を恐れないことが難しい

数多く挑戦することは、数多く失敗することになります。

1勝9敗でもいいのです。最後に勝てば。

途中の失敗を前向きにとらえて、次への成長へとつなげたいのですが、失敗自体が怖くて先に進めないことがあろうかと思います。

先ほどの例でいえば、AさんがBさんと同じように女性に声をかけて告白できるか?

失敗したら大いに傷つく。立ち直れないかも。

傷つきたくない。

この辺がポイントのように思われます。

実は、試行回数も大事なのですが、IQが高い人よりできるだけ大きなリスクを取れる人の方が成功しやすいことがわかっています。

高学歴で一流企業に入るより、大きく借金をしてアパートやマンションの経営を手広くやって、その家賃収入から借金返済も行うやり方の方が収入が上で払う税金だって少ない、そういうこともあります。

でも、みんながそんなことできますか?借金怖いですよね。

後天的な運量を上げることには、「失敗」を自転車が乗れるまで何度も転倒したアレととらえて恐れず、「リスク」を怖がらずに挑戦を続けること。

そして失敗に対して真摯に分析・学習して経験値を積むこと。

ちょっと見た目がかっこいいからとAさんのように待ちの姿勢では、一生Bさんのようにはなれないでしょう。

実は幸運かも

少し視野を広げると、私たちは幸運な部類とも言えます。

それは「日本に生まれた」からです。

世界には、教育も医療も十分に受けられず、日々の生活さえ脅かされる地域が数多く存在します。

安全な水、清潔な環境、義務教育、医療保険制度。

これらを当然のように享受できるだけで、人生の基盤として非常に恵まれているのです。

つまりは「先天的な幸運」とも言えます。

だいたい、寿司などの新鮮な海鮮や生卵を簡単に食べられる国なんてないです。

日本ほど治安がよくて、お店のサービスがよくて、食事がおいしいといった国はないでしょう。

今、世界の人口は81億人です。

仮に自分たちが生まれた時代の世界人口が60億人だったとして、日本の人口が約1億だとしたら、日本に生を授かる確率は1/60の確率になります。1.7%ですよ。

相当な倍率を勝ち取っています。勝ち組でしたねぇ


クリニック奥側に位置する第二待合室(頭痛待合、中待合兼)のエアコンが効きすぎて寒すぎたというお声を夏場に何回か頂きました。

第一待合室のエアコンと共通スイッチで作動させていたところ、日差しや外からの温風が入る第一待合室が暑くなって、奥の第二待合室が極端に冷えてしまうという状況でした。

サーキュレイターで少しは改善したものの、納得できる環境ではなかったので、このたびエアコンスイッチ分離の工事をしました。

大変ご迷惑をおかけしました。もう夏が終わりましたが(泣

下関にて、頭痛、めまい、物忘れ、頭のMRIに関しては、志摩脳神経外科クリニックにてご相談を。