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院長コラム
<34>子供のお勉強 その2
お盆も過ぎて、学生の皆様の夏休みの宿題はラストスパートに入ったでしょうか?
受験に向けて充実した夏休みを過ごせているでしょうか?
あるいは、遊びや趣味で充実できているでしょうか?
今日は、これまで何回かにかけてブログに書いてきた内容をもとに、どうすれば子供が勉強できるようになるのか、もう一度考えていこうと思います。
親御さんが「勉強しなさい!」と怒ることがNGであろうことは予想つくでしょうが、そもそも勉強したがらない子をどうやって机に誘導すべきでしょうか?
これに関しては「意思の強さが必要」と思われてるかたが多いかもしれません。
しかし、実際は「勉強を習慣化させる仕組み」が大事です。
① 達成の可視化
やるべき特定の勉強をすれば、カレンダーの当日のところにシールを張ったり、達成したことが見えるような目印をつけます。
中高生ならスマホのカレンダーに「今日勉強した内容、成果」を書き込むことでもいいでしょうが、いつでも誰でも目につくようなカレンダーが理想的でしょう。
これを毎日続けると、途中でさぼりそうになっても、可視化された勉強達成の目印が途絶えることが嫌だという心理が生じます。
勉強の皆勤賞をする、という感覚です。
ちょっとゲーム感覚でもあります。連続ログインボーナスのような。
② 勉強開始のトリガー設定
何をするにしても、何かとワンセットにして習慣化する方が続けやすいものです。
例えば、「牛乳を一杯飲む」→「勉強を開始する」
「背伸び、深呼吸する」→「勉強開始する」
「スマホをダイニングテーブルに置く」→「勉強を開始する」
何でもいいので、こういう行動をとったら、次は必ず机に座ってさっさと勉強を始める、という習慣を作る必要があります。
なかなか始められない、始まるまでのハードルが高い、モチベがあがらない。
それは意思の問題もありますが、仕組みができていれば意外に簡単に解決できます。
以前も述べましたが、入浴や歯磨きと同じで、習慣化が肝になります。
③ 課題量を少なく設定
毎日勉強するにしても、必要な課題の量を膨大にしてしまうと続けられません。
いきなりマラソンを走れ、というようなものです。
「毎日勉強をする習慣をつける」ことが目的の場合は、毎日の課題の量を極力少なくする必要があります。
英単語1個、漢字一文字、の暗記からスタートでも構いません。
全く勉強をしない子でも、その程度の課題ならこなせるでしょう。そのうち、せっかく勉強しているのだがら、英単語3個に増やそう、というふうになります。
また、毎日勉強できている子でも、「毎日 英語長文の問題集を一問する」「数学チャート式の問題を1ページする」など、その子に合った設定をすればいいと思います。
④ 簡単すぎず、難しすぎず
勉強の習慣化が目的ではありますが、その人のレベルにあった内容が望ましいものです。
たとえば中2相当の知識があるのに、小学生の算数をひたすらやってもつまらないでしょう。
その子にとって簡単ではないものの「やればできる」という内容が理想的です。
ゲームのRPGは、ユーザーのレベルに応じて敵の強さが変わってきます。
弱すぎてもつまらない、強すぎて太刀打ちできないのもつまらない。
ゲームをずっと続けられるのは、飽きさせないようにできているからです。
勉強をずっと続けるためにもそういう仕組みづくりが必要でしょう。
⑤ すぐに答え合わせする アウトプットする
一問解いたら、すぐに答え合わせする方がいいでしょう。
成功体験を小刻みに積むことで、脳が報酬を感じます。
SNSでも「いいね」やコメントがすぐに帰ってくることで、報酬・達成感が得られます。
⑥ 次々と科目を切り替える
英語だけを延々2時間するよりも、小刻みに科目を変更しながらの方が続けやすいことがあります。
「英単語5分」→「数学一問」→「漢字5分」など。
次々と内容が変わる方が飽きさせません。脳にとって新たな刺激の連続が望ましいのです。
短い動画の連続がそうであるように。
ゲーム、SNS、動画に依存したり中毒になったりするのは、すぐに快感が得られる仕組みができているからです。
新しい通知、「いいね」、次々と流れてくる短い動画、ゲームのレベルアップや新たなアイテムの取得。
これらは脳の報酬系(ドーパミン回路)を刺激して、もっとやりたい、という感覚にさせてしまいます。
脳は、「努力せずに快感を得らえるもの」にとても弱いのです。
この性質をうまく利用して、やらされるのではなく自然に勉強できるような仕組みを作ることができれば理想的です。
さらには「勉強が楽しい」「面白い」という感覚になれば、そうでない状態の10倍効率的になります。
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呉にて。
戦艦といえば大和ですよね。もっとも、子供のころは宇宙戦艦の方しか知りませんでしたが。
下関市にて頭痛・片頭痛・めまい・物忘れでお困りの際には、ぜひ当クリニックへ。