雑学

<50>先取り学習とドラえもん

ドラえもん

先月、月刊コロコロコミックという小学生向けの漫画雑誌にて「ドラえもん」の連載が終了しました。

原作者の藤子・F・不二雄先生は30年前に他界されていますが、その後も遺志を継いだ藤子プロのスタッフたちが制作活動を続けて、ドラえもんはずっと活躍していました。

今回は、漫画連載に一区切りをつけた、ということでしょう。コロコロコミックの漫画自体も実は何週目かの再掲載だったようです。

アニメ、映画に関しては、まだまだ続くそうです。需要がありますからね。

それでも「ドラえもん、最終回」と聞くと、何だか悲しくなってきます。

小さいころ、お絵かきボードに何を書こうかと私はじーっとボードを見ていました。

それを見ていた父が、そのボードに「田」という漢字を書きました。

そして

「これに何か書き加えてみろ」

と言ったので、私は数秒考えたあと

「田」の下に、小さな「力」という字を書き加えました。「男」という漢字ですね。

父はそれを見るやいなや、急に立ち上がり

「こいつ”男”を書いたぞ!」

とものすごく嬉しそうに母のところに報告しに行きました。

「田」の下に「力」を書いたら「男」です。

当然のことなのですが、

おそらく父親が喜んだのは、私がまだ4歳だったからなのでしょう。

まだ幼稚園に入園してなかった私に小学生一年生レベルの漢字の知識があったのは、ドラえもんのおかげでした。

今より圧倒的に娯楽が少ない当時ですが、3歳くらいのころに買ってもらった「ドラえもん」単行本第一巻。

あの一冊は、今まで続く私の人生で最も読み返した本でした。

3歳の私は、当時の男の子が夢中になっていたウルトラマン、仮面ライダー、戦隊シリーズも網羅はしていましたが、その中でもドラえもん漫画に関しては「こんなによくできていて面白いものがあるのか」と感動した記憶があります。

本が擦り切れるくらい繰り返し読みましたねぇ。

その中で活用している簡単な漢字はインプットされていきました。

「ドラえもん」は、日常会話や道徳・勧善懲悪の概念、科学的なことなども含めて、私にとっては非常に大きい教師でした。

2021年にテレビでやっていた林修先生の番組で「現役東大生500人に聞いた勉強になる漫画」の堂々第一位は「ドラえもん」でした。ちなみに二位「ドラゴン桜」三位「名探偵コナン」。

こういったことからも、どんな形態であれ「ドラえもんが終わる」という表現が出ると、私の中ではさみしく感じるわけですね。

今思えば、ドラえもんは私にとって単なる娯楽ではなく、“先取り学習”の入り口でもありました。

先取り学習

私にとって「ドラえもん」は色んな意味で有益な存在であったわけですが、その中でも偶然にも漢字知識の先取り学習になったことは、その後の小学校において当然役になっていました。

幼稚園児だった私は、「小学一年生」「小学二年生」といった学年誌を読んでいました。

一年生になれば二年生向けを読む。

そうやって、常に少し上の世界を見せてもらっていました。

小学二年生時には、日本史の歴史漫画が家に並ぶようになりました。私は食い入るように読みました。

小学四年生時には、公文の英語に通うようになっていました。

同級生より数年前より学習予習することで、大きなアドバンテージを得るわけです。

そういうこともあって、日本史に関しては勉強をする必要がほとんどなく、中学一年で同級生たちがアルファベットから入るときに私は中三レベルの英語知識がありました。

成績を競争する社会であれば、ものすごく有利だったわけです。

そのようなルートを設定した両親に感謝するしかないのですが、私にとって先取り学習はピタリとはまり、その後の受験などにも有利に働いていきました。

では、全ての人にこのような先取り学習が役立つのでしょうか?

プラスに働くケース

学校が簡単に感じることは、自己肯定感につながります。

小さいころは「わかる」「できる」「親や教師に褒められる」が、そのあとの学習意欲につながります。

「勉強することが気持ちいい」という回路が形成されるのです。

そんな馬鹿な、と思うかたもいるでしょう。

幼い子に「よく一から十まで数字が言えたね、偉いね~、すごいね~」

と言ってみてください。

その子は何度も数字を言いたくなるでしょう。

さらに、十以上の数字の知識も身に着けて披露するでしょう。

「もっと聞いて」「もっと質問して」とせがむでしょう。

そういう学習意欲を高める環境を作るのは重要ですよね。

スポーツでも何でもそうですが、「勉強」が得意分野になれば苦手意識が軽減されます。

「自分はできる」という感覚が大事なわけです。

逆効果になるケース

暗記主体のやりかたで、理解を伴わない学習法はよくないと思われます。

幼児期に暗記ばかりだと、のちのち「考えること」が苦手になります。

応用がきかなくなりがちです。

勉強が義務となり、親の期待を背負ってバリバリやっちゃうこともよくないです。

小さいころは本来、遊び・好奇心・試行錯誤で伸びる時期です。

机に向かって何時間も勉強する幼児と、旅行や非日常のイベントなど色々経験する幼児とでは、

後者の方がいずれ伸びるとも言われます。

いろんな未知の刺激を得ることが脳にとってはいいようです。

「やらされ感」が強いと、その反動も強いといわれます。

自分で好きで勉強する分はいいのですが、やれといわれてやる勉強は限界があります。

中学受験界隈で無双しても、その後の中高生で失速するパターンだそうです。

つまり先取り学習で、ちょっと有利なポジションにいるのはいいのですが、それであぐらをかいて学習をしなくなる、考えることをしなくなる、のでは無意味どころか逆効果といえます。

先取り学習はメリット、デメリットともにあるのですが、

肝心なのは

「知的好奇心を失わないようにする」

「親の期待、暗記が全面に出るのは危険」

「学習を快いという体験に」

という感じです。

要は「勉強はおもしろいから自らやる」というふうになれれば理想的です。

理想と現実は違うかもしれません・・・


GWも終わり、また憂鬱な平日が始まりましたか?

憂鬱と思わず、そんな日常にどこか楽しみを見出すことができればいいですね。

何かしら目標をたてたり、運動したり、趣味を増やしたり、やりようはありますよ。

下関市にて、頭痛・めまい・脳卒中予防・脳MRIに関しては、志摩脳神経外科クリニックにてご気軽にご相談を。